実家の相続で兄弟が険悪に?実際のトラブル例から見る解決策と予防策とは
親から実家を相続する際に多いのが、相続人である兄弟間のトラブルです。
実家の相続トラブルをきっかけに、兄弟の関係が悪くなってしまったという話も珍しくありません。
では、そうならないためにはどうすればよいのでしょうか。
そこで今回は、実際にあった実家の相続をめぐる、兄弟間のトラブル例を参考にしつつ、解決策と予防策についてもご紹介していきます。
実家の相続をめぐる兄弟間のトラブル例とは
ご紹介するのは、母親からの実家の相続をめぐり、2人の兄弟間で起こったトラブル例です。
登場するのは、独立してすでに実家を離れている兄と、母親とともに長年実家で暮らしている弟。
母親が亡くなったため、兄は実家を2人兄弟で平等に分割相続するべく弟に掛け合ったのですが、母親の死後も弟は実家に住み続けており、兄からの遺産分割に関する話し合いにも応じないという事態になりました。
弟が実家の所有者になってこのまま住み続けるためには、本来であれば兄に「実家の評価額の半分」を代償金として支払わなくてはなりません。
しかし、弟にはその代償金を用意する金銭的余裕がないというのです。
最終的に、兄が実家を取得して弟に代償金を支払い、弟は兄が探してきた家賃の低いアパートに移ることで事態は収拾したそうです。
実家の相続をめぐる兄弟トラブルに有効な解決策と予防策とは
こういった実家の相続をめぐる兄弟間のトラブルには、どのような解決策と予防策をとるべきなのでしょうか。
実家の相続がトラブルに発展しやすい最大の理由としては「不動産は現金のようにわかりやすく分割できない」という点があげられます。
相続した不動産を売却して現金化するにも相続人全員の同意が必要なため、そのやりとりの間にもトラブルが起こりやすいのです。
トラブルを起こさないための予防策としては、「遺言書を用意しておく」ということ。
遺言書がないと実家の相続の仕方には、あらゆる選択肢が残されているため、兄弟といえどもお互いが納得する形に落ち着けるのが難しくなってしまうからです。
遺言書がない場合、まず相続人たちで「遺産分割協議」がおこなわれますが、そこで話がまとまらなければ「家庭裁判所での調停または裁判」という解決策も検討しなければなりません。
遺言書で相続に関して「誰が」「何を」「どの程度」という部分まで明確にしておくことが、相続トラブルを防ぐにはもっとも有効です。
自身が相続人である場合には、被相続人(親)が元気なうちから相続内容について話し合っておきましょう。
まとめ
「親が健在なのに相続の話をするなんて…」と考えている方は多いのではないでしょうか。
一方、「相続のことが気になっているものの、遺言書となるとなかなか行動に移せない」という親もいるはずです。
トラブルを生まないための前向きな話し合いをするつもりで、一度家族で集まる機会を設けてみてはいかがでしょうか?
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